よるのあて

今年、生活圏内の本屋がひとつ閉店した。

といっても車で20分弱はかかる。

ぶらっと入って一回りして、何も買わずに店を出ても気が引けないタイプの店だ。

なので週のうち5.6日は目的もなく立ち寄っていた。

深夜も営業していて、何かするにも気がのらない時や、眠りにつけず持て余すときにも、ぶいーんと車運転してひやかせばいい気晴らしになった。

もちろん日常的な雑誌や漫画はほとんどその店で購入していた。

無くなってみるとほんとに惜しい店をなくしたとおもう。

今にして思えばその場所へ通うのは、自分の数少ない趣味の一つに数えられるものだったな。

夜、行く当てがあるのは楽しい。

 

それで今、夜はどうしているのかと言うと、やはり深夜に営業している本屋をひやかしている。

倍くらいの時間をかけて、夜の暇をつぶしに来ている。

でもまだ他所のお店で他所の人だ。

当たり前の場所になっていない。

行くか?行くか。と言うやり取りを自分の中でして向かう。

 

今の自分にはなにかちょっと贅沢、というか遊びにすぎるかな。

 

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